No.15 秒読み段階のコンディショニングスタジオ「five ‘f’」
クラブパートナー誌 2007年3月掲載
人との出会い
先月号では、私にとっての「ジャイロトニック」の出会いを書かせてもらいましたが、私が今回小さいながらもスタジオオープンにいたった背景には多くの人との出会い、その中でも私を支えてくれるスタッフ達との出会いが大きく背中を押し出してくれるきっかけとなりました。今ではスタッフの数が、近畿圏に12人、北陸に3人、広島に2人、東京に1人という人数になりました。たった一人で細々と養成コースやイベント企画やプログラム開発をしていたのが20年前です。養成コースを卒業した人たちが集まっては、勉強会をしたり、一緒に競技会に出る練習会をしたり、そんなこんなでサークルのように活動し始めて、気がつけば多くのフィットネスクラブの支えと後押しをいただいて、徐々に会社組織へと育っていき今日にいたります。
18人のスタッフを抱えていても、その仕事のほとんどがフィットネスの教育事業が中心です。過去に苦い経験をしたことから基本的には私はインストラクター派遣を行わないようにしています。なるべく、インストラクターの方が一人で自立して活動していけるようにサポートすることはあっても、人だけを派遣する依頼には自分の思いや伝えたいと思っていることを形にできないジレンマが伴ってしまうからです。ですから、どうしてもアドバイザーやコンサルティングのような仕事を通して、人材育成やプログラム開発などソフトをプロヂュースする仕事に関わることを続けてきました。何だかんだと言いながら、気がつけばインストラクター養成や研修を24年続けていることになります。時々、何人くらいの指導者を育てられたのですか?と質問を受けますが、さっぱりわかりません。何百人になるのでしょうか・・・数ではなく、その多くの人たちが、現場で活躍してくれていることが何より嬉しく思います。結婚や出産、子育て、介護などを通過しながらも運動指導に携わってくれています。また、フィットネスの現場をやむを得ず離れた方でも、それぞれのフィールドを活かしながら人に関わる仕事や活動をしていることを、毎年の年賀状などで知ると本当に嬉しく思います。私自身も多くの人との出会いの中からさまざまなことを吸収し、発見をし、新たなチャレンジのステップにしてきました。今私が主宰するNPO法人いきいき・のびのび健康づくり協会のスタッフ18人もそれぞれが個性的で、各自がしっかりと目標を持つ中で自分らしいチャレンジを試みながら、ほんの少ししかない自分のための時間をさらに協会活動に割いてくれています。4月にオープンする「Studio five ‘f’」はそんなスタッフ達の貴重な時間を積み重ねながら少しずつ形を整えてきています。スタッフそれぞれの思いや情熱を躊躇することなく展開できればと思っています。その思いを叶えるべく「Studio five ‘f’」の活動の1つに「オーダーセッション」があります。
オーダーセッションとは?
オーダーセッションとは、クライアントや受講生(参加者)のニーズに応えるプログラム提供のシステムです。通常スタジオは、決まった曜日と時間に決まった内容を配置して、そこにお客様に来ていただくというシステムですが、オーダーセッションはあくまでもお客さまの時間と都合、内容に合わせたプログラムをスタッフの都合や条件と照らし合わせながら提供していくことになります。フィットネスクラブでは、なかなかお客様個々のニーズと、指導者個々の思いを共有させることは優先順位としては難しいのが現実です。パーソナル指導をしているスタッフもいるのですが、セミグループレッスンという形をもっと進めていけたらというスタッフの個々の思いとスタッフ自身が持っている特性や身につけたノウハウを提供していこうと思っています。
オーダーセッションは大きく分けて2つになります。1つは、一般の方向けのコンディショニングを中心としたメニュー、2つ目はインストラクター対象のコンディショニングから個々のスキルアップのためのセミナースタイルのものになります。例えば、フィットネスクラブの仲のいいお友達同士でマットピラティスをもっときちんと習得したい、自分の身体の歪みを確認してその改善方法を知りたいなど、目的を聞いてそれに合ったメニューをスタジオスタッフがプログラミングしていくわけです。当然参加費用は1時間当たりの金額が決まっていますので、それを参加人数でシェアしていただくことになります。また、インストラクターの方は、理論講習やプレゼンテーションテクニックなど指導現場に生かすための自己のスキルアップやボディケアのためのマネジメントなどをオーダーすることも可能です。どちらにしても1人では、ちょっと高いセッション代でも複数でシェアすることで参加費用の負担を少なく、なおかつ自分達の知りたいところ、やりたいところにフォーカスしてくれるので、安心して参加することが可能です。特に指導者向けの研修としては、新しいスタイルを模索していこうと思っています。
このように、自分達で考え挑戦していくことでまたそこに何か生まれてくることを今はドキドキしながら準備を進めています。
4月に向けて
ということで4月にオープンするスタジオを貴重な紙面をお借りして2ヶ月に渡って紹介させていただきました。すでに何人かの方が、準備段階のスタジオを訪問してくださいましたが、みなさん揃って温かな優しい空間と言ってくださいます。私の中のイメージとしては、「いらっしゃいませ!」ではなく「おかえりなさい!」と来られた方をお迎えしたい場所です。そのために玄関を広く、明るく、光と風が行き交う「気」の流れを感じる空間作りを意識しました。大きなスポンサーや資金もなく、インストラクターの手作りで作っていく空間ですから家庭のような温かさ、でも忙しい日常を忘れられるスタジオ作りを目指しています。まだまだ思いは夢のように広がっているのですが、スタッフそれぞれが忙しい合間を縫っての準備で、オープン時はどうなることやらという不安もありますが、ここを訪れてくださる方と一緒に作り上げていくのもまたいいのかな?と思いつつ準備が進んでいます。読者の皆さんも、ぜひ「クラブパートナー」を持参してスタジオにお越しください。
Studio five 'f’ 大阪府堺市中百舌鳥町4丁561-8
072-253-1757
地下鉄御堂筋線なかもず、南海高野線中百舌鳥駅より徒歩6分