NO.30 インターネット活用術
クラブパートナー誌 2008年6月掲載
私は、1年半ほど前の自分の誕生日からブログを始めました。どちらかというと新しいもの好きで飽きっぽい私は継続するのが大の苦手。にもかかわらず、昔から日記や詩を書くことだけは嫌いではなく、10代の頃はずっと書いていたことを思い出したのです。いつの頃からか書かなくなって、書かないと本を読む量もグッと減ってきて・・・そのせいか記憶力もグッと落ちてきたような・・・そんな危機感からまた日記を書こうと思い始めたのでした。すでに娘がブログなるモノを書き綴って「仲間うちで内容を見せ合ったりする(昔の交換日記のようです)ことが楽しいよ!」「いろんなコミュニケーションが生まれるよ!」なんて言っていましたが、どうも自分のプライベートを、インターネットを通して公開するのには抵抗がありました。でも、すでにブログを書いているインストラクターからは、「書きたいことだけを書けばいい!」「人に知られたくないことは書かなければいい!」と諭され、「それもそうだぁ~」と思って記憶力回復のために書き始めたブログが「なんくるダイアリー」です。自分の思ったままを徒然に書きながら1年半がたち、いまやブログ更新が私のストレス解消になっています。ありがたいことに、アクセス数もどんどん増えて今では、1日700~800件、多いときは1000件を越えるようになってしまいました。こうなると日記というより・・・「尾陰由美子のちょっと一言~ブログ編~」といった感じで、責任を感じる今日この頃です。
さて、今回は、こういったブログやホームページを活用することで、インストラクターとしての活動が広がったり、ネットワークが築けたり、コミュニケーションが多くなるといったメリットについて考えてみたいと思います。最近では、インターネットを介した犯罪や事件が増えていますので、メリットばかりというわけにはいきませんが、ルールをきちんと守り上手に活用していけばインストラクターとしての活動がパワーアップするはずです。
実際私の場合、最近では仕事の依頼の1/3くらいは、ホームページやブログからのアクセスになっています。自分に置き換えてみても、何か調べたいことやほしい情報は、インターネットの検索をフルに活用していますので当然かもしれませんが・・・自分が興味を持った情報やサイトに直接アクセスすることも瞬時にできるため、自分の求めている情報の獲得に手間がかからなくなりました。ただ、情報量が多すぎて何をどのように選択するのか大変なときもありますが、検索ワードの絞込みを行うことで、核心に近づいていけます。パソコンの整った環境さえあれば、時間や場所を選ばないのでやはり便利といえます。
そして、私のほうから発信したい情報は、ホームページやブログに掲載することで、従来費用のかかっていたDM代の削減になったり、素早い対応で受付をすることも可能となり、相手の方の負担も少なくなりました。さらに最近では、メルマガのように、告知したい情報を登録してくださった方にメールで配信できるようにもなり、情報提供ツールは非常に充実してきたといえます。そのため、確実な情報、わかりやすい案内、興味をそそるレイアウトなど考えなければいけないことも増えています。2ヶ月ほど前のクラブパートナーでこれからのインストラクターは、マーケティング力が必要と書かせてもらいましたが、さらにマネジメント力、プロモーション力も必要ということになります。
数年前のようにただ現場でレッスン指導をしていればいいという時代ではなくなってきています。特に、フリーインストラクターにとっては、厳しいフィットネス業界の状況の中、いかに生き残るか、いかに必要とされるか、いかに存在を知ってもらうか・・・などなど考えていかなければならないのです。最近の傾向としては、30代のインストラクターやパーソナルトレーナーが積極的にインターネットを活用し、さまざまなネットワーク作りや情報提供をしているのが目立ちます。反面、私が知らないだけかもしれませんが、スイミング系のインストラクターの方は、クラブや団体に所属している雇用契約者が多いのか、あまり目にすることがありません。ほとんどの場合、クラブや団体のホームページからの情報提供が多く、スイミングインストラクターの方目線のホームページやブログがもっと増えたなら面白いような気がします。
さて、今回のテーマについて書いてみようと思った経緯には、ブログによって私自身がいろんなことに気づかされた背景があります。自分の気まぐれで書いているブログを通して、インストラクターの方から「共感できる」「励まされている」「安心しました」なんていうコメントをもらうことが多くなりました。クラブのお客様やメンバーの方からは、「インストラクターの人って大変ね」「代行を出しているときもいろんな仕事をしているのね」「先生のこと応援しています」なんて嬉しい言葉をもらうことも増え、レッスンや代行に対するクレームがほとんどなくなりました。自分自身が考えていること、行動していることがメンバーの方に見えることによって理解と共感をしてもらえるようになったのが驚きです。業界関係者の方からは、「いろいろと情報をもらっています」「仕事の依頼は早めにさせてもらいます(笑)」「インストラクターを応援したいですね」とエールを送られるとますます張り切らざるを得なくなります。さらにまったく見ず知らずの業界関係ではない方からも、メッセージをいただくことがあって、その方にとって影響力を及ぼしている自分に驚き、そのことから私自身が気づかされることが多くなりました。昔に比べて、仕事が忙しくなって直接のコミュニケーションが少なくなる中で、書き手と読み手という形のブログを通してコミュニケーションをとるのは不思議な感じもしますが、少なくともそのことで救われる人や元気になる人がいるのであれば、これもフィットネスインストラクターの役割ではないかと思います。実はほんの数日前に、ちょっと私とは違うフィールドにいる男性インストラクターからいただいたメッセージが「先生のブログが励みです!」と言われ、ブログ効果に驚き今月のクラブパートナーの題材が決まったのです。
読者の皆さんの中にもブログを書いている人は多いかと思いますが、ブログを書く目的は人それぞれです。私の場合、自分の為に始めたブログがいつのまにかいろんな方へのメッセージや情報提供のツールとなって、インストラクターが健康づくりに関われる新しいツール、可能性を見出したということでしょうか?でも、その反面、アナログではあるかもしれませんが、直接的なコミュニケーションの重要さもヒシヒシと感じる今日この頃です。インターネットを介したコミュニケーションは、やはり私の中では浅く、もろく、はかなく感じてしまいます。4月から5月にかけて宿泊型の合宿養成や研修が続く中で、「講習会のおまけ」なる講習時間外のコミュニケーションの充実がよかったと、多くの受講生の方から感想をいただきました。お互いの顔を見て、目を見て、言葉を聴いて、いろんなことを感じ取りながら会話することはやはり重要だと改めて感じました。五感を駆使して相手の気持ちや考えに寄り添っていく、そして自分の意見もまとめて伝えてみる・・・こんな当たり前のことが、感動されるようになった時代にもやはり驚いてしまいます。合宿に参加した受講生から、「忘れられない思い出となりました」「貴重な時間を共有できたことが嬉しい」「また、講習会のおまけをお願いしたい」という言葉をもらって、インターネットでコミュニケーションのきっかけを作ったなら、お互いの信頼できるネットワーク作りの為にもやはり直接のコミュニケーションを心がけていきたいものです。恐い事件やインターネットの落とし穴にはまらないためにも日頃からやはり自分の五感を磨いて、信頼できる人か内容か判断できるコミュニケーション力を高めておく必要があります。