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尾陰由美子ブログ
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運動指導者としてのキャリアアップを考える‼︎②

時代の変化に合わせたキャリアアップの道

運動指導者としてのキャリアを44年積んできた私ですが、20歳の頃のスタートは、子供に向けたダンスやバレエ、リトミックの指導でした。やがて空前のエアロビクスブームに乗って、エアロビクスインストラクターとして活動。
結婚、妊娠、出産を機に、水中運動やコンディショニングなど様々なフィットネスプログラムを次から次へと、流行に乗り遅れないように習得しては現場指導に立っていたものでした。

人生の正午と言われる40歳の頃から、運動指導だけでなく、「健康教育」を訴求普及できるようにとNPO法人を立ち上げ、講演活動やコンテンツ開発に力を注ぐ時間が増えていきました。この間、指導コンテンツは変われども、ずっと指導者育成が業界の発展につながると信じ、人材育成に力を注いでき増田。

さらにこの数年は、パーソナルにおける指導や関わりが大きくなり、企業の健康経営や地域の介護予防、さらには女性向け健康講座を担当するなど、仕事が多岐にわたるようになりました。

このように時代のニーズや流行、社会情勢に合わせて、カメレオンのように華麗にキャリアチェンジをしたり、キャリアアップをしていくことで、私の場合は安定した収入や人脈、経験を積み上げることができたと思います。幸いにも、私はエアロビクスやアクアビクスなどコンテンツに対してこだわりがなく、目の前にいるお客様や参加者のニーズに応えることに圧倒的な興味と関心があったことが、さまざまなコンテンツ指導や対応力を身につけられたのだと思います。多様な人に対応することで、私自身も新しい世界に触れたり、経験を手に入れることができたのです。

時は流れ、時代はどんどん変化していきます。その変化の流れに、心地よく身を乗せていくことがキャリアアップと言えるかもしれません。

ヘルスからフィットネスの時代

1970年代〜80年代にかけては、ヘルスの時代と言えるでしょう。WHOが提唱した「健康の定義」を私もこの頃知りました。さらに、健康のためには「運動」「栄養」「休養」が大切と言われたのもこの頃からです。この時代の、健康づくりは「しっかり動く」「しっかり食べる」「しっかり眠る」と『量』を重視したものでした。

やがて、空前のエアロビクスブームからフィットネスブームに広がっていったのが、
1980年代から2000年にかけてくらいでしょうか?自分の嗜好や生活にあった運動スタイル、おしゃれなファッションセンスやカッコよさも求められたのがフィットネスです。ですから、次から次へと運動プログラムが変化し、レッスン内容も工夫を凝らし、インストラクターたちはスキルを磨き、センスを磨き、自分磨きに余念がありませんでした。ある意味で、フィットネス業界は、闘争・競争の時代だったと言えます。

2000年代に入って、スマホやパソコンの普及、情報収集はWEBが主流となる中で、社会全体の疲弊感が伝わる頃から、マインド系のプログラムにシフトしていきました。ヨガやピラティス、コンディショニングなど自分の体に意識を向けるコンテンツが、主体となっていきます。「運動量の時代」から、自分の目的に合った「運動の質」の時代になったと言えます。そうすると、大きなスタジオやジム、大勢の参加者やプログラムに身を投じるより、小さなスタジオやジム、パーソナルスペース、ホームフィットネスなど、より個人の価値観やライフスタイルに合った健康づくりが求められるようになりました。

こういった背景には、女性の社会進出が増えたこと、働き方の多様性が求められること、健康の価値観が変わってきたこと・・・などがあるでしょう。
今では、24hフィットネス、ホットヨガ、パーソナルジム、暗闇フィットネスなど・・・私も把握しきれないくらいの様々な運動サービスがあります。

ウェルネスの時代へ

コロナ禍以降、フィットネスからウェルネスへのシフトは、私たちの健康へのアプローチに新たな視点を提供してくれました。1970年代から80年代にかけて、健康づくりは栄養と運動、そして病気の予防が基本とされていましたが、現在では「コミュニティ」が健康の大黒柱となっています。人とのつながりが健康に与える影響は非常に大きいのです。特に、リタイア後の生活を考えると、職場以外のコミュニティなど、多様な人間関係を築くことが重要です。

私たち運動指導者は、運動を教えるだけでなく、生活の中でのコミュニティ形成を運動を通して促す役割も担っているのです。特に、高齢者の方々には、地域でのつながりが健康を支える要素となります。

健康を広義に捉え、暮らしを健康にする観点から関わっていくことが求められるようです。

 未来に向けてキャリアアップ

今後の運動指導者に求められるスキルは、単に目の前のお客様や参加者に向けた運動指導に留まらず、異業種(医療や美容業界など)との連携を意識することも重要です。つまりここでも、異業種の方々と繋がるためのコミュニケーション力が必要です。

60代以上にシニア層の方々は、医療や健康に関心が強い傾向にありますが、40代、50代の人々は、美しさや若々しさに関心が高い傾向があります。このニーズに応えるためには、フィットネスを超えた視点での健康サービスを提供する必要があります。

今後は、AIも活用しながら、地域とのつながりや異業種との連携を強化することで、よりキャリアアップのチャンスは広がることでしょう。人が健康で、よりよく生きるためには、「運動指導しかない!!」という選択ではなく、運動指導を通して困りごとにも関わっていけることで、今までにないキャリアアップが生まれるかもしれません。

チャンスを逃さない

フィットネスからウェルネスへの移行は、私たち運動指導者にとって、キャリアアップのためには大きなチャンスです。変化を恐れず、柔軟に対応することで、新しい市場やニーズを見出し、自分らしいキャリアアップを見出していきましょう。

これからの時代に向けて、皆さんと一緒に考え、共に成長していけることを楽しみにしています。

運動指導者としてのキャリアアップを考える‼︎③に続く

 次回のテーマは、「自分の棚卸し」について

運動指導者としてのキャリアアップを考える‼︎①はこちら